老化の定義を知っておきましょう。

 そもそも老化とはなんなのでしょう。私たちは円常の会話で老化や加齢、寿命といった言葉をよく口にしますが、改めてその定義を問われると、はたと答えに詰まってしまいます。はっきり定義しないまま、なんとなく使っていることに気づかされます。
車を例にとってみましょう。古くなると、ガタがきたとか、ポンコツになったなどという言い方をします。しかし、車の古さを表現するのには、大きく分けて2とおりの基準があります。ひとつは年式です。凶年前のモデルは、どんな乗り方をしようと10年前のものには違いありません。もうひとつは走行距離です。こちらは車の現在の状態をより正確に表します。10年前のモデルでも、数千キロしか走っていない車もあれば、発売間もない最新モデルでも3万キロも走っている車もあります。

こう考えると、車の年式に当たるのが人間の「暦年齢」、現在の体の状態を表す走行距離に当たるのが「生物学的年齢」ということになりそうです。整理すれば、人間は加齢(暦年齢)とともに老化(生物学的年齢)が進み、最後に寿命(死)を迎えるといっていいでしょう。その意味では、アンチエイジングを従来のように「抗加齢」と訳すのは誤りで、「抗老化」とするのが正しいと思われます。
つまり、時計の針を戻したり止めたりするのではなく、進む速さを遅らせるのが実態に即しているからです。