人間の寿命は100歳を越えるのが当たり前?

 そもそも人間は何歳まで生きられるのでしょうか。この問題をめぐっては科学的な研究のほか、さまざまな民間伝承なども伝えられていて、まことに興味が尽きません。

「オールドパー」をご存じの方も多いでしょう。ウイスキーの銘柄で本格的なスコッチで、ラベルには赤い帽子をかぶった老人が描かれています。実は、このラベルの男、ただの「パーおじさん」と思ったら大間違い、超のつく快人物だっ
たのです。なんと80歳までは独身で、120歳で何度目かの結婚をし、間もなく一子をもうけ、間歳まで立派に畑仕事に励み、130歳で天寿を全うしたというのです。

そんな馬鹿なと思う方は、英国のウエストミンスター寺院に行ってみてください。かのオールドパーは偉大な政治家や画家、詩人、科学者たちの間に丁重に葬られ、上記の来歴までしっかりと記されているといいます。もっともこんな荒唐無稽な話をあたかも史実のごとく仕立てるのは、イギリス人独特のユーモアかもしれませんが。パーおじさんはともかくとして、最近の生物学者を中心にした科学的な研究によると、人間の寿命は凶歳というのが定説になりつつあるようです。いろいろな動物を調べると、等動物、高等動物を間わず、一人前(成人)に達するのにかかる年齢を6倍したのが、その動物(種)の寿命の限界になるらしいということがわかってきたのです。

人聞が20歳で成人に達すると考えれば、6倍して120歳が最長寿命ということになるわけです。ちなみに正確な記録が残っている限りでは、世界の最高齢者は1997年に印歳で亡くなったフランスのジャンヌ・カルマン夫人とされています。
最長寿命は120歳としても、実際の人間の平均寿命は初世紀の半ばまで50歳ほどでした。それがいま、日本人の平均寿命(2017年調べ)は男性が78歳、女性が88歳まで伸びています。この伸びは世界的なものですが、これだけ急激に伸びた理由は第一に小児の死亡率の激減、第一に中高年の寿命の延びです。いずれも医学の進歩が背景にあることはいうまでもありません。